かなり賛否が分かれている本作。
まず端的にお伝えすると僕は面白いと感じました。 過去 3 部作を再度チェックしてからの鑑賞は若干おっくうでしたが、 ストーリーのおさらいは勿論、当時の最先端のデジタル技術やカメラ技術を 駆使して、新たな映像体験をさせてくれていたことを再確認。
そして今作では、撮影方法に関して全くの真逆に振っている点が、 凄く良いですね。(ココが賛否が分かれるポイントの 1 つ?) つまり基本的には実写にこだわった作品となっていて、 後世に語り継がれるようなバレットタイム的な表現(後ろに仰け反って銃弾を避けるアレ) などはありませんが、有機的な撮影とデジタル技術の融合にモダンさを感じました。
反対に残念だった点を少し。
1999 年(1作目)の公開当時はビッグビート全盛だったのもあり、 全編に渡り音楽をブレイクビーツで統一し、それが超エキサイティングな雰囲気を演出して いました。勿論時代が変わったので今回のレザレクションズで、同じビッグビート (ブレイクビーツ)に統一するのは違うかもしれませんが、少なくとも単なる劇伴とも違う “電子音楽"に関するこだわりは欲しかったなぁ、というのはあります。 プロペラヘッズのアノ曲は少し新しいエディットで使われていたので、
全編そのテンションがあったら個人的に更に楽しめたことは間違いないです。 南アフリカの伝説的ディープハウス DJ、Black Coffee 御大のʻInkodlo Kamashimaneʼが 使われているのが良かったのと、ジェファーソン・エアプレインの『ホワイトラビット』は、 いつ聴いてもうっとりするぐらいカッコいい。
あと衣装に関して。過去作品では電脳日世界にいるときの皆のクールな出で立ち、 特にサングラスのシェイプはその時代のトレンドを作るぐらいカッコよかったのに、 本作ではその部分(サングラス)が正直結構ダサいと感じてしまいました。 サングラスは当時のデザインを現代的にリシェイプして大きさを整えれば、全然 通用する気がするので勿体ないなぁと。
そもそもマトリックスに関しては、続編なんてもってのほかだったのかもしれませんが、 ウォシャウスキー姉妹...今作に関してはラナ・ウォシャウスキーさんが、Q アノンたちに おかしな利用をされたりしてしまった"自分たちの作品”を取り戻したかったのだろうな... なんて勝手な解釈。
そして僕自身、当時は完全にレッドピル派の若者だったのですが、2022 年の現在だったら レッドピルを飲まずに『シープル』でいる方が幸せかも、なんて考えも頭をよぎったり。。。
あなたならどちらを選びますか?
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